子ども時代、若い頃の自分と向き合ってみる…、〝好き〟に再会!

学校、職場、そして家族との人間関係にとことん疲れまくってしまった、という山崎都茂子さん(29歳・仮名)。

自分のすべてを受け止めてくれる!と身も心も捧げた20歳年上の男性は、DV癖で都茂子さんを追い詰めます。そのDV地獄から都茂子さんを救い出してくれ、なにくれと相談にのってくれた60代の女性は、あまり評判のよくない新興宗教の熱心な信者で、都茂子さんにしつこく、新興宗教の信者たちとの共同生活をしてくるよう、勧めてきます。その女性の魔の手から、「逃げだそう!」と都茂子さんの手を取り、脱出させてくれた同世代女性は、マルチ商法をしている某企業の幹部で、都茂子さんが要らない、とさんざん断っているにも関わらず、健康食品や健康器具の分割払い契約書にサインをすることを迫ってきます…。

おお!なんという、不幸のオンパレード!一体どうやってそこから、抜け出したのですか。

「基本に立ち戻ってみたのです」。

基本とは?「自分とはなにか?を問い直してみました」。哲学ですね!「いえいえ、そんな立派なものではないんですが…。なぜ、そうやって自分は他人に振り回されてしまうのか。面倒ごとに「つぎつぎ巻き込まれていってしまうのか…。考えていましたら、〝自分というものがない〟ということに気づかされたんですね」。

自分の意志があまりない、自己主張をあまりしない人というのは、この世の中、けっこう少なくないと思います。それでも、都茂子さんのように、不幸につぎつぎ見舞われることはマレ、と言えるような気が…。

「そういう人には、いちいち自己を強く主張することをしなくても、自分には意志というものがあまりない、と思っていても、〝自己防衛本能〟的なものがきちんと備わっていたんでしょう。それは、その人を育んできた家族からの賜か、もともと持っていたものか分からないけど…。私には、多分それすらなかった…。あっても、その自己防衛機能が、その役割を果たしていなかった…。そういうふうに思ったんです」。

自分は幼い頃、どんなものが好きだったか?なにに夢中になったか?考えていて、「幼い頃、読んで記憶にある絵本、マンガなどを次々思い出しました。それにもう一度再会してみようと、思い立ち、古書店巡りをしてみたんです」。インターネット上の古書販売店、現物が見たいので。神田の古書店も訪れてみた。都会の繁華街に、懐かしいマンガやオモチャを並べてあるような店も発見できた。

「昔のマンガって案外高いんですよね…!そしたら、昔のマンガをただで読めるという個人でやっているような小さな私設図書館の存在を知って…」。そこで、都茂子さん、幼い頃、家にあったか、友人やいとこなどから借りたかして、夢中で読んだマンガを再読…。

「その当時のことがどんどん思い出されてくるんです!かつて、この箇所を読んでどう思ったか。そのとき、自分の近くにいた友だちは誰だったか。その友だちとは、どんな遊びをしたか。その子の家は…。学校では…。そのときの担任の先生はなんという名前で、どんな顔だったか…」。

それは、とても充実した時間、自分を取り戻す時間だったと都茂子さんは言います。「そして、なにより収穫だったのは、その、昔夢中で読んだマンガを読みながら、よみがえってくる思い出の中に、自分がなにをすべきだったか、これからどう生きるべきか、そういう指針がすべて示されていたのだと言います。「昔の自分と向き合う時間、好きと再会する時間、本当に自分にとって大切だったんですよ」。

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